30歳になる数年前から自分の性癖が軽いマゾ気質であるという事を自覚していました。付き合っていた彼がいた事もありましたが、あまり人に本音を言えない私にそんな事を言う勇気はありませんでした。
自分の性癖に合う人に出会いたいとは思っていても、それはとても勇気のいる事です。そのため、出会い目的というより相談に乗ってもらう目的で掲示板に書き込みをしました。自分がマゾなんて言うといきなりホテルに連れていかれるような気がして、とても出会いを求めているなんて言い出す事は出来ませんでした。
マゾ気質なんて言うと、SMの本質を理解していない人はすぐに性的にいじめればいいと思うようですが、実際はもっと精神性のある深いものなのです。しかも私の場合は、実際のプレイを経験していない上に、知識もありません。さらにどちらかと言うと人見知りもする方です。まずはネット上で性癖という悩みに近い話をいろいろ相談できる人を募集しました。
やはり、いきなりアダルト用語を多用するような返答を返す人もいましたが、私が思っていた以上に真摯に話しを聞いてくれそうな人も返答をしてくれました。そのうちの二人とメールでやりとりをし、さらに気の合いそうな人と会う約束をしました。
その人はSMバーに通ったり、縄で人を縛る練習もしていると言っていました。そういった場や空気や人に慣れているようで、メールの文面からも余裕や人柄が伝わってきました。しばらくメールのやり取りをしましたが、決して彼から会おうとは言い出しませんでした。私の警戒心をとてもよく理解していてくれるようでした。
そして、3か月ほどメールのやり取りをした後、初めてLINEで話をしました。普通、出会いを求めている人ならもっと早く会う事になっていたと思いますが、私はなかなか警戒心を解く事が出来ませんでした。そして、私の方から一度会ってみたいと言ってみました。
待ち合わせは梅田にしました。普通のデートのように紀伊国屋の前で待ち合わせをして、近くの喫茶店へ行きました。彼は良くも悪くも普通の印象でした。最初は話の内容が特殊なだけに小声で話していましたが、二人で話しているうちにだんだんと周りが気にならなくなりました。初めて自分の本音を言える人と実際に会って話をして、正直言うと、すぐに私は彼に夢中になりました。
その日は話をするだけで、さらに3回ほど普通に会いました。縄について興味があったのですが、いきなりホテルに行くのは怖かったので、SMバーに行って初めて縛ってもらいました。SMバーと言っても思ったより和やかな雰囲気で驚きました。不思議な事に縄で身体を縛ってもらう事により、自分が開放されたかのような気持ちになりました。その後、彼とはパートナーとしてお付き合いをしています。
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